はじめに
AI技術の進歩は目覚ましく、新しいモデルが次々と登場しています。特にメタ社が最近リリースした「LLaMA 3.1」について詳しく解説します。
1. LLaMA 3.1とは
LLaMA 3.1はメタ社が開発した新しい言語モデルです。このモデルの特徴はオープンソースという形で提供されていることです。つまり、誰でもダウンロードして使用できるのです。
- 3つのモデルサイズ:80億、700億、4050億パラメータ
- 128,000トークンの入力が可能
- 8言語をサポート(ただし、日本語は主要言語としてはサポートされていない)
メタ社のAIに対する考え方は将来的に各タスクに特化したAIモデルが開発されるというものです。つまりゼネラリストよりスペシャリストと感じになるのかなと思いますが、ある意味ゼネラリストとしてのスペシャリストのAIというのも出てくる可能性もあるかもしれません。
2. オープンソースAIの意義
オープンソースAIには、いくつかの重要な意義があります。
- カスタマイズの可能性:特定の業界や用途に合わせてモデルをカスタマイズできる
- 地政学的リスクの軽減:特定の国や企業に依存しないAI開発が可能
- サービス中断リスクの低減:突然のサービス停止などのリスクに依存しない
たとえば、自社の業界特有の専門用語を学習させたAIモデルを作ることができます。そのためより精度の高い回答を得ることが可能になります。
3. LLaMA 3.1の性能評価
LLaMA 3.1の性能は、他の主要なAIモデルと比較しても遜色ないものとなっています。
- GPT-4やClaude 3.5 Sonetと同等以上のスコアを記録
- 一部のタスクでは、これらのモデルを上回る結果も
- 人間による評価でも高いスコアを獲得
ただし、スコアだけでなく実際の使用感も重要です。
4. LLaMA 3.1の実用性
LLaMA 3.1の実用性を考える上で、重要なポイントがいくつかあります。
- 必要なハードウェア:4050億パラメータモデルは個人のPCでは動作困難
- 推論時のメモリ要件:最小でも203GB必要
- ファインチューニング時のメモリ要件:さらに大きなメモリが必要
たとえば4050億パラメータモデルを動かすには、810GBのGPUメモリが必要ですので、一般的なGPUのスペックをはるかに超えています。さすがに一般でそのまま動かすにはちょっと難しい場合が多いです。
5. 今後の展望
LLaMA 3.1の登場はオープンソースAIの可能性を大きく広げています。今後の展望として以下のようなことが考えられます。
- さらなる性能向上:LLaMA 3.5や4.0の登場に期待
- 日本語サポートの強化:日本企業による日本語特化モデルの開発
- アプリケーションへの組み込み:高速な生成AIの実用化
まとめ
LLaMA 3.1は、オープンソースAIの新たな可能性を示す重要なモデルですがただし実用化にはハードウェアの制約や速度の問題などまだ課題も残されています。
今後のAI開発においてオープンソースモデルがどのような役割を果たしていくのか、そしてクローズドなモデルとどのように共存していくのか、注目です。